体育館にて、「令和6年度 若草中学校区地域合同文化講演会」を開催しました。
今年は、奈良国立博物館名誉館員、東アジア仏教文化研究所代表、帝塚山大学客員教授、半蔵門ミュージアム名誉館長と数々の肩書を持たれ、昨年度には瑞宝双光章を授章された『西山 厚』先生をお招きし、『公慶 江戸時代の大仏復興』と題しての講演をしていただくことができました。
鎌倉時代の兵火によって焼失し再建された大仏殿が、三好・松永の兵火によりふたたび焼失したのは永禄10年(1567)のこと。大仏様の頭部も溶けてしまい、そののち両手や肩などは修復されますが、木製銅板貼りの仮の頭部を付けた大仏様は、大仏殿がない状態で百年以上の歳月を過ごされました。
その大仏様を復興したのが江戸時代の公慶上人。公慶上人も、大仏様を創建された聖武天皇の、【一枝の草、一把の土】(大きな権力や富ではなく、民の小さな力をたくさん集めてつくる)という精神を受け継ぎ、周りからは絶対に不可能だと言われる中、ただ一人で勧進帳を作って諸国を歩くことから始められたとのこと。
様々な苦難を乗り越え、諦めることないその思いが実り、現在の私たちが目にしている大仏殿が宝永6年(1709)に完成しました。最終的には、当時の民衆全てからの寄進につながったそうです。
この江戸時代の大仏復興を機に、観光都市奈良が築かれていったとのこと。公慶上人がいらっしゃらなかったら、今の奈良、ふるさと若草中校区もなかったかもしれませんね…。
「西山 厚」先生、今の私たちにつながる【大切なルーツ】を教えていただき、本当にありがとうございました!!